鉄道大好きな子鉄が喜ぶのは、やっぱり鉄道の絵本です。
我が家の子鉄が1歳半から2歳半頃に繰り返し読んでいたお気に入りの蒸気機関車の絵本をご紹介します。
はしれちいさいきかんしゃ
絵本のきほん情報
- タイトル:はしれちいさいきかんしゃ
- 出版社:株式会社福音館書店
- 作・絵:イブ・スパング・オルセン
- 訳:やまのうち きよこ
- 初版年月日(発行日): 1979年06月25日
- シリーズ:世界傑作絵本
- ページ数:32頁
- サイズ:27×25cm(福音館書店HPより)
(我が家のものは、1992年5月10日第6刷の縦25cm×横17cmです) - SBN: 978-4-8340-0748-0
対象年齢
福音館書店のホームページによると、対象年齢は以下のとおりです。
読み聞かせ:4歳から
ひとりで読む:小学生低学年から
絵本の内容は?
登場する鉄道やストーリーをご紹介します。
登場する鉄道車両
デンマークの蒸気機関車
種類の特定はしておりませんが、デンマーク鉄道博物館によく似た蒸気機関車が展示されているようです。
「くろがねのみち」さんのサイトに、その蒸気機関車Oクラス318号の写真が掲載されています。
「ちいさいきかんしゃ」よりも大型にも見えますが、デンマークの国旗と同じ赤と白のラインが「ちいさいきかんしゃ」とそっくりです。
ストーリー
いつも駅の構内だけで働いていたちいさいきかんしゃは、遠くへ行くことを夢見ていました。ある日、機関士さんが目を離したすきに、ちいさいきかんしゃは突然冒険にくりだしてしまいます。
冒険の途中、今まで見たことのない景色や動物たちをたくさん目にします。しかし、駅にさしかかったとき、駅長さんがポイントを切り替えたことから、ちいさいきかんしゃは線路から飛び出してしまいます。線路のない地面を一所懸命に走りますが、その途中でイェンセンさんの家にぶつかったり、洗濯物やもみの木をさらいとるなど、トラブルの連続です。
そうこうしているうちに、ついに念願の隣りまちにたどり着き、まちのなかを走り抜けることができました。
そして、たくさん冒険して最後にたどり着いたのはいつも働いている駅。ちいさいきかんしゃは少しほっとして、機関士さんのもとに帰り、またいつもの駅の構内で元気に働くのでした。
機関車トーマスに似てる?
あの大人気の機関車トーマスも、はじめは貨車や客車の入れ替えばかりで、もっと遠くまで行く仕事をしたいと文句を言っていました。小さい機関車という設定も重なりますね。
トーマスの列車
トーマスは、客車のいれかえばかりさせられるのが、おもしろくありません。そんなトーマスに、なかまの機関車たちはいいます。
引用元:『汽車のえほん2 機関車トーマス』収録の「トーマスの列車」より
「きみはあわてんぼうだから、いまにきっとしっぱいするよ」
トーマスは、そういわれるたびに、くやしくてたまりません。
絵本の特徴
ひらがなとカタカナ
文章はすべてひらがなとカタカナで書かれています。
挿絵が多い
1~2歳児が読むにしては少し文章が多めの絵本だと思います。ただ、挿絵の数が多いので、挿絵を指さしながら文章を読むと、比較的飽きずに読み進められます。(毎回ではありませんが…)
擬音語がたくさん登場
擬音語がたくさん登場します。
機関車の音だけでも、こんなにたくさん!
- ポーッ
- ダダグン シュッシュッ
- ズズズン シュッシュッ
- ピューッ
- シュッシュッ ブワッブワッ
- シーッシッシッシッ
- プスプス…プスン
そのほかにも、こんな擬音語も登場します。
- ドドーン
- ドッシーン
- キュッキュッ
- カキン
1~3歳児が喜びそうな音がたくさん詰まっています!
我が家の子鉄(鉄男)の反応
鉄道に興味を持ちだした1歳半の頃、既に我が家にあったこの絵本をチョイスしました。この絵本を一緒に読んだ息子(1歳半~2歳頃)の反応をご紹介します。
ちょっと長め?
私自身は、「ちょっとこの絵本、長いな…」を思いながら読んでいたのですが、息子は意外と楽しんで聞いてくれていました。話がおかしくならない程度に読み飛ばすこともありましたし、途中で別の絵本を引っ張り出してくることもありましたが、それでも2歳を過ぎる頃までは、この絵本はスタメンの位置をキープし続けていました。
擬音語に大喜び
「ドッシーン」とぶつかる音やレールのポイントの切り替え音の「カキン」など、膝の上にのせて読み聞かせをしながら、音とともに体を動かすと、大喜びしてきゃっきゃと笑ってくれました。
機関車の走る音も喜んではいましたが、「ドドーン」などの擬音語の方がお気に入りのようで、息子も復唱するほどでした。
座って抱っこしながら歌った『バスにのって』のようで、こちらも楽しくなります。
ちょい足し知育
この『はしれちいさいきかんしゃ』を読んだら、ちょい足し知育をしてみましょう!
オノマトペを楽しもう
擬音語や擬声語などのオノマトペは、音の楽しさで子供の興味を引きつけます。特に、1歳~3歳の乳幼児はオノマトペが大好きです。しかも、オノマトペは、語彙力を増やし、言葉に対する感覚を養う導入としてもぴったりなんだそうです。オノマトペを楽しんでいるなと思ったら、オノマトペの多い他の蒸気機関車の絵本を読んでみたり、オノマトペに特化した赤ちゃん絵本をもう一度読んでみるのも良いですね。
オノマトペとは
オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと。主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現した言葉である。犬の鳴き声の「わんわん」など。その他には、「ワクワク」のように、実際には音は聞こえないが感覚的な表現としてのオノマトペがある。日本語は特にオノマトペが多く用いられる言語といわれている。
引用元:weblio辞書
蒸気機関車を見に行こう
鉄道博物館に行くのも良いですが、横浜市から大宮に行くのはなかなか気合がいります。
横浜市内で気軽に行けて、色々な蒸気機関車を見ることができるといえば、原鉄道模型博物館!
巨大なジオラマや模型は圧巻です。車両の種類は、蒸気機関車や外国の鉄道、現在は走っていない昔の鉄道が多いです。
博物館まで行くのはちょっと…という場合には、桜木町駅新南口のシァル桜木町アネックスに蒸気機関車が展示されていますので、ランチのついでに見に行くこともできます。
この絵本を読んだきっかけ
我が家にこの『はしれちいさいきかんしゃ』があったのは、私の実家に眠っていたこの絵本を、出産を機に掘り起こしたからです。
どうやら、私が子供の頃に、母が定期購入していた数ある絵本の中の一冊だったようです。
ただ、母によると、私は『はしれちいさいきかんしゃ』には興味を示さなかったためにほとんど読み聞かせをしなかったようです。鉄道に全く興味が無かったんですね。(笑)
確かに、幼少期に読み聞かせをしてもらっていた本は、表紙をみるとなんとなく記憶がよみがえってくるものですが、この『はしれちいさいきかんしゃ』は全く覚えがありません。
ただ、それが30年の時を経て、こうして孫が喜んで読んでいるというのは感慨深いものがあります。
まとめ
この『いちばんでんしゃのうんてんし』は、運転士さんが早朝に起床してから終点の高尾駅に到着するまでが、笑ってしまうほど詳細に描かれている絵本です。大人の鉄道好きもうならせるこのリアルさ、子鉄も喜ぶに違いありません!
そして間違いなく、子鉄にも非鉄ママパパにとっても勉強になる一冊です。
「将来の夢は電車の運転士さん」という子鉄には、必ず読んであげたい絵本ですね。