そんなママパパに、子鉄もきっと興味を持ってくれる、デゴイチが登場する名作絵本をご紹介します。
おしいれのぼうけん
絵本のきほん情報
- タイトル:おしいれのぼうけん
- 出版社:株式会社童心社
- 著者:ふるたたるひ たばたせいいち
- 発行日: 1974年11月01日
- シリーズ:絵本・ぼくたちこどもだ
- 小学校低学年向け課題図書
- 第1回 小学生がえらぶ!こどもの本”総選挙ランキングベスト100
- ページ数:80頁
- サイズ:B5判/26.6×19.1cm
- SBN: 9784494006069
対象年齢
絵本ナビのホームページによると、対象年齢は以下のとおりです。
読み聞かせ:3歳から
絵本の内容は?
ストーリーや、絵本から得られる情報をご紹介します。
登場する鉄道
- D51形蒸気機関車(デゴイチ)の玩具
ストーリー
舞台は保育園。
ある日、あきらがお着替えのときに、ポケットからミニカーを落としました。そのミニカーをさとしが手にし、返してというあきらと取り合いをして走りまわります。
先生の注意を聞かずにおもちゃの取り合いをして暴れまわった二人は、おしいれに入れられてしまいます。先生は、二人が暴れまわったことを謝るまで出すつもりはありません。
怖くなったあきらは、先生に謝りそうになりますが、仲たがいをしていたはずのさとしが、あきらを励まします。さとしは、おもちゃを取ったことをあきらに謝り、ミニカーを返すのでした。さとしは、あきらからミニカーを受け取ると、持っていたデゴイチをあきらに貸してあげることにしました。
仲直りをした二人は、デゴイチとミニカーで遊び始めます。すると突然、ねずみばあさんとねずみが現れます。
ねずみばあさんは、いつも保育園の先生がみせてくれる人形劇のこわーい登場人物です。そのこわいねずみばあさんとねずみたちは、あきらとさとしを捕まえようと襲いかかります。
デゴイチとミニカーとはぐれてしまった二人は、何度も捕まりそうになりながらも、ねずみばあさん達から逃げ回ります。
もう捕まりそう…と思ったとき、なんとはぐれてしまったデゴイチとミニカーが二人を助けにきてくれたのです。二人がデゴイチとミニカーに乗り込むと、今度はねずみばあさん達が逃げ出してしまうのでした…。
絵本の特徴
- 文章はひらがなで書かれています。
- 80ページ以上で長め
- 懐かしいタッチの挿絵
- 数ページを除いて、ほとんどの挿絵が白黒
ページ数も1ページあたりの文字数も多いので、我が家では、読むのに30分以上かかります。
我が家の子鉄の反応
この絵本を一緒に読んだ3歳の息子の反応をご紹介します。
あのD51がでてきた!
デゴイチ(D51のおもちゃ)が登場するシーンを読むと、息子は「デゴイチ!ボクも運転した!」と嬉しそうに話します。
とはいえ、ミニ蒸気機関車D51が登場するのは、30ページ目です。登場シーンまでは結構長いです。
(実際に運転したわけではなく、息子は汽笛を鳴らす体験をしました。鉄道博物館でD51シミュレータで運転体験ができますが、対象は中学生以上です。中学生未満の子供は、汽笛を鳴らすことができます。)
まだちょっと早かった?
息子は気に入った部分があると、何度も繰り返し同じシーンを読むタイプです。
そのため、保育園で子どもたちが暴れまわるシーンを何度もリクエストされるので、ラストどころか、なかなかクライマックスにも到達できませんでした。
そして、3歳6か月の今現在、最後まで読めたのはたったの一度だけです。
まだちょっと息子には早かったのかも。
それでも、たまに「これ読む」と持ってきたり、普段の会話で『おしいれのぼうけん』の話題が出てきたりするので、好きではあるようです。
おしりのぼうけん!
ちょっとはしたないですが、息子はわざと「おしりのぼうけん!」とふざけて楽しそうにしています。
一応「おしいれだよ~」とは一度は訂正をしますが、それはそれでかわいいです。
そういうおふざけが楽しいお年頃になってきたのだと思うと、ほのぼのします。
はじめはちょっと怖かった
「ねずみばあさん」は不気味な魔女のような雰囲気があり、つい読み手も不気味な声をだしてしまいます。
ビビりな息子はちょっと怖がっていましたが、二回目以降は面白がってくれました。
ちょい足し知育
この『おしいれのぼうけん』を読んだら、ちょい足し知育をしてみましょう!
シリーズ絵本を読んでみよう
『おしいれのぼうけん』は、童心社の『絵本・ぼくたちこどもだ』シリーズの一冊です。
シリーズには、あの有名な『ダンプえんちょうやっつけた』があります。
こちらも幼稚園児から小学生に大人気の絵本です。『おしいれのぼうけん』が気に入ったら、ぜひ『ダンプえんちょうやっつけた』も読んでみましょう!
デゴイチを見に行こう
D51(デゴイチ)は最も有名な蒸気機関車の一つで、デゴイチは蒸気機関車のD51形の愛称です。
D51というのは蒸気機関車の型式なのです。
全国各地で展示されています。
横浜市とその周辺でもデゴイチが展示されている場所があります。
- 本牧市民公園(横浜市)
- かわさき宙(そら)と緑の科学館(生田緑地)
- 三笠公園(横須賀市)
- すみれ会館隣接地(町田市)
ちなみに、大宮の鉄道博物館(てっぱく)のど真ん中に展示されているのはC57、新橋駅のSL広場にあるのはC11です。
よく似た見た目ですが、いずれもデゴイチではありません。
てっぱくではデゴイチの先頭車両が設置されており、運転体験ができるシミュレーターがあります。
ちなみにわたくし非鉄ママは、正面のナンバープレートなしでは見分けられず、どれも同じように見えてしまいます…勉強不足です。
ABCを覚えるきっかけに
D51に限ったことではありませんが、電車の型式にはアルファベットがよく使用されています。
英語への親しみを持つきっかけを作ってあげましょう!
我が家では、息子がアルファベットに興味を持ち始めたタイミングで、「デゴイチのDはABCDEFG~のDなんだよ!」と教えました。
それを理解すると、似た機関車のC57やC58の名称にもCが含まれることを発見し、とても嬉しそうに教えてくれました。
そのほかにも、新幹線のE5、E6系や、JR東日本のE231、E233、E235系など、子鉄には英語をたくさん目にする機会がありますので、英語教育のきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
この『おしいれのぼうけん』は、1974年に出版されました。
保育園を舞台にしたスリルたっぷりのストーリーは、今もなお、子供たちの心を掴み続ける傑作です。
鉄道がメインの絵本ももちろん良いのですが、名作絵本の読み聞かせもしたい、というママパパにはぜひこの絵本を試しに読んでみてはいかがでしょうか。
鉄道が好き、鉄道の絵本を読みたい、という子鉄の気持ちを無視することなく、名作絵本を取り入れられるきっかけになれば嬉しいです。