読み聞かせをしたいけど、次はどんな本を買おうかな、と悩んでいませんか?
電車がテーマの絵本はたくさんあります。
その中から、我が家の子鉄が気に入ったおすすめ絵本をご紹介します。
『でんしゃのつくりかた』
絵本のきほん情報
タイトル:『でんしゃのつくりかた』
出版社:交通新聞社
絵:溝口 イタル
発行日: 2021年03月01日
ページ数:31頁
サイズ:245mm×205mm
ISBN: 9784330003214
対象年齢
- 読み聞かせ:2歳から
- ひとりで読む:小学生から
2歳にはちょっと難しそうだけど、徐々に電車が出来上がっていく過程を眺めているだけでも面白そう!
絵本の内容は?
ストーリーや、絵本から得られる情報をご紹介します。
登場する電車
- JR東日本 E235系 横須賀・総武快速線
- JR東日本 EF64形 電気機関車
- JR東日本 E235系 山手線
- JR東日本 E233系 京浜東北線
- JR東日本 E233系 上野東京ライン(東海道線、湘南新宿ライン)
ストーリー
東京都の品川駅の風景からはじまり、すぐに舞台は新潟県にある工場へと移り、工場見学が始まります!
バラバラの金属の部品が少しずつ組み立てられ、まずは車両の壁や屋根の形がみえてきます。
部品を組み立てるのは、機械や人の手。火花が飛び散る溶接作業も紹介されています。
壁や床ができてくると、次はそれらを組み立てて、車両の形が見えてきます。
組みあがった車体を次の作業場所に移動させるのは、大きな天井クレーン。
移動したあとは、艤装(ぎそう)と呼ばれる外装・内装ともに部品などの取付や配線を行う作業が行われ、普段よく目にする座席やつり革、運転室の工事が行われます。
それらが終わると、別工程で作られていた台車と車体が組み合わされる台車入れという作業。
ついに先頭車両が完成し、電気機関車に引っ張られて東京方面へと運ばれて、物語は終わります。
得られる知識・学び
電車がどこで、どうやってつくられているのか、どうやって運ばれるのかなど、作られてから実際に走行するまでのストーリーが細かいイラストで描かれています。
どんな形の部品が車体のどこに使われるのか、大きな車体をどうやって運ぶのか、電車に乗るだけでは想像できないような製造工程を知ることができます。
艤装(ぎそう)、台車入れなど、非鉄ママパパは聞いたこともないのではないでしょうか。
そのほかにも、大人にも難しいような部品名や機械もそれはもうたくさん登場します。
これらの難しい用語のほとんどは、ストーリー上ではなく用語解説のような形で登場するため、読み飛ばすことができます。
絵本の特徴
ストーリー部分の文章はすべてひらがなとカタカナで書かれています。
途中で登場するイラストの解説には、大人向けに漢字(ふりがなつき)が使用され、巻末には、同じく漢字(ふりがなつき)を用いたQ&A形式の豆知識コーナーもあります。
イラストがとても細かい部分まで描かれているので、イラストを見ながら、子供と色々な会話ができてしまいます。
我が家の子鉄の反応
我が家が『でんしゃのつくりかた』を購入したのは3歳を過ぎてからです。
大人でも知らないような、電車の製造工程を目にした息子の反応をご紹介します。
はじめはちょっと難しい?
我が家の3歳児にはちょっと内容が難しかったようです。
ですが、新しいE235系の横須賀線が作り上げられる様子には興味深々で、「もう一回」と何度も読み聞かせをせがまれました。
どんどん疑問がわいてくる
はじめは難しかったこの絵本ですが、何度か読み聞かせをしていくうちに、「これはなに?」「これはあとで外しちゃうの?」など、色々な質問が出てくるようになりました。
繰り返し読み聞かせをすることによって、徐々に理解が深まっていったようです。
電車に乗ったときには、「絵本でみたね!」と知識を活用する様子がみられました。
県名も覚えちゃった!
この絵本に登場するのは新潟県の車両工場なのですが、ある時、テレビで新潟県が紹介されたとき、息子が「にいがた県!横須賀線つくってるところ!」と嬉しそうに言ったのには驚きました。
ちゃんと聞いてくれている、覚えてくれている、というのは嬉しいものですね。
ついでに日本地図を見せて、新潟県の場所を教えておきました。
ちょい足し知育
この『でんしゃのつくりかた』を読んだら、ちょい足し知育してみましょう!
新幹線の陸上輸送と海上輸送
巻末のQ&Aに、新幹線の輸送方法がイラスト付きで紹介されています。
2022年、JR九州の新幹線かもめが実際に道路と海の上で運ばれました。
その様子がわかる映像や写真がWEB上でたくさん紹介されているので、ぜひお子様と一緒に見てみてはいかがでしょうか。
また、新幹線の陸上輸送の様子がよくわかるロングタイプトミカが販売されていますので、こちらを遊びに取り入れるとより理解が深まりそうです。
乗り鉄して現物をみてみよう
せっかく電車のつくりかたを知ったのだから、実際に電車に乗った際に確認してみましょう!
絵本の中には、座席を設置する様子や、パンタグラフの取り付けも描かれています。
今まであまり注目していなかった部分に焦点をあててみると、より鉄道の楽しみ方が広がり、知識を深める喜びを覚えるきっかけになるかもしれません。
まとめ
対象年齢2歳にしてにはかなり高度な内容ではないかと思いますが、その分長い期間楽しめる絵本になっています。
また、普段は走っている状態しか目にすることのない電車が、はじめはバラバラの小さな部品から成り立っている、という新たな気づきにつながる絵本です。
これをきっかけに、モノを分解したり組み立てたりすることに興味を持ってくれたら嬉しいですね。