いまや図鑑の戦国時代(だそうです)。
出版業界では、子供向け図鑑の競争がし烈になっているそうです。
そんな中、色んな図鑑を比較検討したいけど、図鑑って、ネットでも店頭でも試し読みできない場合が多いですよね。
なので、非鉄ママが勝手に、鉄道図鑑で人気の鉄道図鑑『小学館NEO』と『講談社MOVE』を比較してみました!
親目線でのレビューも掲載します。
図鑑を選ぶ際に、参考にしていただけると嬉しいです。
小学館NEOの特徴
小学館NEOの印象は、
情報が整理されてすっきり。
何か目的があって調べものをする場合や、とにかくたくさんの車両を覚えたい子鉄にはこちらの小学館NEOがおすすめです。
- レイアウトが画一的、整理されている
- 用語解説は一か所にまとまっていてる
- 全国の鉄道博物館が一覧で掲載されている
- カバーの裏がポスターになっている
- 調べものがしやすい
- テーマ別の特集やイラストの図解が少なめ
保線作業についてや全国の鉄道博物館一覧が巻末に掲載されていますが、基本的には車両、車両、車両です。
画一的で単調な感じもありますが、とにかく鉄道車両の掲載数が多く(約800種類!)、しっかりと見比べられます。
(講談社MOVEの掲載数は調べていませんが、おそらくこちらのNEOの方が多いのではないかと思います。)
なので、子供の車両知識についていけなかったり、車両の違いがよくわからなくて困っているママパパにおすすめですよ。
目次や索引もわかりやすく、鉄道会社名や地域から調べられたり、路線名と愛称のどちらからも調べられたりするので、鉄道素人のママパパにも使いやすいです。
ただ、講談社MOVEと比較すると、用語や鉄道のしくみなどについての解説コーナーが少なめです。
巻頭にあるテーマ特集も、巻末の用語解説も、文字でも解説がメインなので、大人には理解ができますが、小学生低学年までの子供には難しそうと感じました。(私の主観ですが)
講談社MOVEの特徴
講談社MOVEの印象は、レイアウトが工夫されていて強弱があり、まるで雑誌のような感じ。
ちょっとごちゃごちゃした感じはありますが、自然と次の項目を読みすすめたくなる工夫があります。
なので、絵本のように普段から気軽に図鑑を読んでほしいママパパにはこの講談社MOVEがおすすめです。
本編中に豆知識コラムがちりばめられているので、関連知識が自然と目に入ったり、特に目的の調べものが無い場合でも気軽に開きたくなる感じがあります。
鉄道にまつわる「ナンバーワン」を集めた特集(最高時速、走行距離1位、ホーム数が最多の駅、最も標高の高い駅など)があったり、全国の駅弁を紹介するページも。
もちろん巻頭、巻末にもテーマ別の特集コーナーはあり、
- 踏切の種類や設備
- 線路の種類(これはネットでもあまりみかけない情報!)
- 車両記号の読み方(車両に書いてある「モハ」「キハ」や数字の意味)
- 鉄道用の信号機の種類や説明
- 鉄道標識の種類や説明
- 鉄道トンネルや鉄道橋の種類
などなど…書ききれないほど、もっとたくさんあります。
我が家の子鉄の大のお気に入りです。
よって、個人的には講談社MOVE推しです。
ただ、鉄道知識が少ない私にとっては、索引はかなり使いにくいです。
細かいことを言うと、車両名、路線名、車両形式の区別がぱっとわからない人には不親切な索引です。
良いポイント、良くないポイントは以下のとおりです。
- レイアウトに強弱があり、遊び心があって読みやすい
- 豆知識コラムが本編に散らばっている
- 子供が好きそうなテーマの特集ページがたくさん
- 親が読み聞かせたり、絵本のように読みやすい
- 索引が使いにくい(鉄道素人には不親切)
NEOとMOVEの細かい比較
小学館NEOと講談社MOVEの細かい比較ポイントをご紹介します。
小学館NEO(初版第1刷) | 講談社MOVE(新訂版第1刷) | |
発行年月日 | 2021年11月25日 | 2019年11月21日 |
書籍のサイズ | A4判変型 21.0cm×27.7cm | AB判 21.0cm × 25.7cm |
定価(税込み) | ¥2,200 | ¥2,200 |
ページ数 | 224ページ | 224ページ |
掲載車両数 | 約800種類 | 公表箇所見当たらず |
付属DVDの特徴 | ドラえもんがガイド。列車の走行シーン、深夜の保線作業、レールの交換・点検など。 | NHKの映像を使用。列車の走行シーン、車両の製造工程、新幹線の海上輸送など。 |
特集ページ | 巻頭・巻末にあり。文字での説明がメイン。 | 本編中、巻末に多数の特集あり。イラストを使用しての解説があり、わかりやすい。 |
索引 | 鉄道に詳しくない人にも易しい。鉄道会社・地域・路線名・愛称など、複数のキーワードから調べられる。索引のために9ページを割いている。 | 車両に詳しくない人には少し分かりにくい。列車名・車両形式・路線名(愛称を除く)から調べられるものの、車両形式 |
用語解説 | 主に巻末にまとめて掲載し、文字だけで説明している。 | 主に本編中に関連するテーマとともに掲載。巻末には用語の索引のみ掲載。 |
サイズは若干違うものの、ページ数も価格も同じです。出版年月日は小学館の方が遅いため、より新しい情報が掲載されています。
DVDは色々な親のレビューを見たかんじでは、どちらも好評なように思います。
タイプ別・年齢別図鑑のおすすめ
色々と比較をしてきましたが、結局我が子に合う図鑑はどっち?
あくまでも私のおすすめではありますが、おすすめは次のとおり!
タイプ別のおすすめ
講談社MOVEと小学館NEOの特徴を踏まえ、それぞれの図鑑をおすすめしたい子鉄と親のタイプをリストアップしてみました。
講談社MOVEはこんな子鉄(親)におすすめ
- 絵本のように読み聞かせをしたい
- 踏切や信号機、標識などにも興味がある
- 車両だけじゃなくて周辺知識も得たい
- 真面目な図鑑よりも面白味のある方が好き
小学館NEOはこんな子鉄(親)におすすめ
- 車両の名前を覚えるのが好き
- 実際に見た車両を調べたい
- 索引から調べるのが好き
- ごちゃごちゃしているものより整理されたものが好き
年齢別のおすすめ
先述のタイプ別のおすすめに当てはまらない場合や、よくわからない場合は、年齢別で決めてしまっても良いと思います。
0歳~6歳(年長さん)には講談社MOVE
理由は、講談社MOVEは、イラストを使った図解や、レイアウトの工夫があり、目で楽しませる工夫があるからです。まだ文字をすらすら読めなくても、「これはなに?」と興味が湧いてきます。
小学生には小学館NEO
辞書を使って調べる練習をしたり、文字を読むことに慣れている小学生には、小学館NEOがおすすめです。情報が整理されていて、自分でも索引から調べやすいからです。
もちろん講談社MOVEも面白いのですが、自分で情報にアクセスする楽しさは小学館NEOの方が感じられると思います。
賢い子は子供の頃から図鑑が好き?
賢い子は子供の頃から図鑑が好き
これは、『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』という本の冒頭で触れられている内容です。
あくまでも成績の話ではありますが、脳医学者である著者が、難関大学に通う学生への聞き取り調査を行って分かったことが記載されています。
成績が伸びていった子は、幼い頃から図鑑が大好きで、よく見ていた
見ていた図鑑の内容は、花、植物、鳥、昆虫、乗り物、宇宙……と人それぞれでした。しかし、多くの学生たちは、字が読めるか読めないかくらいの時期から図鑑が家にあったと言います。
『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』
もちろん、図鑑が家にあるだけで成績が伸びるわけではありません。
図鑑は面白いものである、と子供が感じてくれるための親の工夫や努力が必要な場合もあります。
成績が良いからといって大人になったときに必ずしも幸せなわけではありませんが、知的好奇心が旺盛な方が毎日はきっと面白い。
だから、我が子に図鑑を買い求める親が多いのでしょうね。
からです。
図鑑は何歳から?
さて、そもそも図鑑は子供が何歳になったら準備する?という点について。
結論からいうと、1歳からでもOKです。
個人的には、破られるリスクが低ければ、もしくは破られてもいいという場合は0歳からでもOKと思っています。
その理由は、
- 絵本のように読み聞かせに使ってもいい
- 図鑑の読者ターゲットの低年齢化が進んでいる
- 親も助かる
からです!
理由1.絵本のように読み聞かせに使ってもいい
寝かしつけの前に絵本を読む習慣はありますか?
我が家では、絵本と同じように図鑑を就寝前に読むことがよくあります。
というのも、先述の『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』にも寝る前の図鑑がおすすめされていたから真似をしてみたところ、習慣化しました。
「このページを読んで!」と言われて何度も同じ解説を読み上げることもありますし、「この前コレ見たね!」と嬉しそうに振り返ることもあります。
我が家の子鉄はまだ4歳なので、図鑑好きだからといって本当に賢く育つのか、将来どうなるかはわかりませんが、好奇心旺盛なまま大きく育ってくれたら嬉しいです。
理由2.図鑑の対象の低年齢化が進んでいる
図鑑はひと昔前とは違い、出版社が競い合うほどの「図鑑の戦国時代」だそうです。
つまり、売れるから、各社が力を入れているのです。それも小学生未満の幼児向けの図鑑が続々登場しています。
MOVEとNEOのような定番の図鑑ももちろんアップデートされていますが、それ以外にも
めくる楽しみがある、『めくって学べる 乗り物のしくみ図鑑』
幼児が自分で読める『じぶんでよめるのりものずかん』
など、本が売れない今の時代にヒットをとばす図鑑が数多く販売されています。
ちなみに、上のどちらも未就学児が読者ターゲットです。
小学校の入学祝いに図鑑を買ってもらう
昔はそんなイメージがありましたが(非鉄ママ、30代、地方出身者の記憶です)、最近では乳児のうちから図鑑を揃える家も少なくないようです。
理由3.親も助かる
図鑑が家にあると、本当に助かります。
とくに、私のような非鉄、つまりもともと鉄道に興味が無い親は、子鉄の「知りたい!」を満たす知識を持っていません。
そんな親にとって、あらゆる車両の名前や鉄道の仕組み、線路や鉄道標識の解説が載っている図鑑は救世主!
だって、質問のたびにググりたくはありませんし、スマホにばかり頼る姿を子供に見せたくはありません。
なので、子鉄が4歳になった今でも、子鉄から質問が出ると、図鑑を開くようにしています。
少し時間はかかりますが、親が答えられるような鉄道の質問が出たときも、「図鑑で一緒に調べてみよう」と持ち掛けるのがおすすめです。
そうすることで、「図鑑を読めば知りたい情報が得られる」「図鑑ってすごい」と子鉄自身が認識し、図鑑をどんどん好きになります。
一時的に図鑑を嫌いになった息子の話
3歳をすぎたある日、息子に「図鑑を読もうよ」と誘うと、「図鑑は嫌い」という返事が返ってきました。
息子は一歳半の頃から図鑑をよく読んでいて、当然いまでも図鑑が好きだと思っていた私。
驚いて理由を聞いてみると、「図鑑は難しい。面白くない。」と言うではないですか。
そういえば、以前は子鉄からの質問が出るとすぐに図鑑を開いていたものの、最近はさぼっていたことを思い出し、反省。
それからは、質問がとんでくるとすぐに図鑑を開くようにしました。
そして、子鉄が当時ハマっていた鉄道標識が図鑑にも掲載されていることをアピールしました。
すると、一か月もたたないうちにまた図鑑好きに戻り、それからは毎晩のように図鑑を読んでから就寝するようになりました。
よかったよかった。
我が家の子鉄はまだ4歳なので、本当に賢く育つのか、将来どうなるかはわかりませんが、好奇心旺盛なまま大きく育ってくれたら嬉しいです。